■STORY
物置になりかけていた空間が癒しの空間に大変身!
東急東横線、代官山駅から0分の商業ビルとしては1級の立地にモンシェリー代官山はあります。
立地もさることながら、その斬新なデザインはひときわ目を奪います。
地上から地下2階へ吹き抜けるスペースが特徴のドライエリアは、同時に暗く湿った感じの印象を与えるスペースを生んでしまい、時が経過するうちに物置になりかけていました。
この問題を解決することが今回のプロジェクトのメインテーマとなりました。
もともと、モンシェリー代官山はグレードもデザイン性も高い商業ビルで、随所に天然石を用い、ディティルはアール(曲面)を多く採用しています。
ミッションは、スクラップ&ビルドではなく、ポテンシャルを引出すこと。現在あるデザインと調和させることがあらゆる面でバランスのとれたデザインになることを前提にご提案しました。
ショッピングや食事に来場するお客様に、楽しんでいただくための空間として「癒しの空間」を表現しました。空間演出に使ったアイテムは、グリーン、木目、丸み、光です。
デザインが空間の潜在能力を引出し、資産価値を上げる。イメージを実現させるためには、緻密な計算と設計力が欠かせない。
地下2階から地上へ抜ける縦長の吹き抜けを繋ぐアイテムに竹を採用しました。樹木は幹の色が茶系色で葉が緑色であるが、竹は全てが緑色であるため縦長にのびた空間を繋ぐためには適した素材です。
代官山に竹=和風?と思われる方もいるのではないでしょうか?しかし、最近のオフィスとショップを複合させたビル(東京ミッドタウンなど)のエントランスのエクステリアには竹が取入れられています。
代官山は、外国人の多い街でもあり、彼らにとって竹は「ジャパニーズ・モダン」を感じさせ、日本人にとっても、日本人のDNAにある「癒しのツボ」を刺激するアイテムだと思います。
この竹を引き立てるための脇役としては木の質感です。ウッドデッキを用い、渡り廊下のような床をつくり、周りには丸く白い玉砂利をバランスよく敷きました。
そしてライティングです。もともと、昼間でも薄暗いドライエリアなので、光の演出は効果的です。照明器具は、環境を考慮してLEDの照明器具を採用しました。
丸窓が「月」を連想させ、「竹取物語」の一場面を感じさせる癒しの空間ができ上がりました。